委 員 村 上 ひとし 委 員 平 岡 大 介
委 員 松 浦 忠 委 員 石 川 佐和子
――
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開 議 午後5時26分
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
村山委員からは
松井委員と、
小形委員からは
太田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第5項
都市開発費のうち関係分及び第7項 建築費について、一括して質疑を行います。
◆
伴良隆 委員 私は、
住宅マスタープラン案と
市営住宅について伺います。
市営住宅を取り巻く環境には、将来的な
人口減少や
民間賃貸住宅の多数の
空き家、
空き室、各
市営住宅での人気の偏りや入居の辞退、そして、建物の
更新需要の大きな高まりなど多くの課題がございます。
そこで、今年度
策定予定の
住宅マスタープラン案では、
市営住宅の
管理コストについて、
現状水準維持から転換し、抑制していくとしています。これに関し、さきの
建設委員会で、我が会派の
村松委員が、
管理戸数抑制の目標となる数値を持っているのかとただしたところ、
佐藤住宅担当部長は、
市有建築物の
配置基本方針は試算値であり、
数値目標ではない、
数値目標というものは現状ではないが、一定の条件下での試算を行っていくことになる、このようにご答弁されています。
そこでまず、質問でありますが、
市有建築物の
配置基本方針や財政局が進めている
公共施設マネジメントについて、都市局としてはそもそもどのように認識されているのか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 市有建築物の
配置基本方針と
公共施設マネジメントの認識でございます。
市有建築物については、今後の
人口減少を踏まえて、施設の再配置や今後の総量について方針を出したものと認識しております。出された数字が幾つかありますが、それは一定の条件のもとで計算された試算値となっているものと認識しております。もう一つの
公共施設マネジメントにつきましては、これからの
公共施設のあり方について、一括して
マネジメントを進めていくものと認識しているところでございます。
◆
伴良隆 委員 札幌市
市有建築物の
配置基本方針は、これからの住宅のさまざまな施策が包含されるという考え方でよろしいかどうか、もう一度お願いします。
◎佐藤
住宅担当部長 市有建築物に
市営住宅が包含されるかどうかというご質問でございましたが、包含されるという認識でございます。
◆
伴良隆 委員 次に、きょうは
財政部にいらしていただいています。
財政部に質問でありますが、
市有建築物の
配置基本方針や現在進めている
公共施設マネジメントを踏まえ、各
市有施設を所管するおのおのの部局は、施設の総量や配置などの計画や
目標づくりにどのような責任があると考えているのでしょうか。
また、財政局がそうした計画や
目標づくりにどのようにかかわっていくべきなのか、見解を伺います。
◎梅田
財政部長 市有建築物の
配置基本方針に係る各部局の責任と
財政部のかかわりについてのご質問でございます。
平成26年に策定いたしました札幌市
市有建築物の
配置基本方針は、今後の
人口構造の変化に伴う多様な
市民ニーズに効果的かつ効率的に対応するために、施設の今後の方向性を示したものでございます。各部局におきましては、この方針に基づいて、
施設維持から
機能重視へという考え方のもと、施設の多機能化、あるいは、
民間施設の活用によって最適な
施設配置に取り組んでいくこととしてございます。
公共施設マネジメントは、中長期的に施設の
総量管理を行う視点と、これらに係る経費を見込んだ
財政収支見通しとの連動によって、
進捗状況を評価しながら進めていく必要があるというふうに認識してございます。
そこで、
財政部といたしましては、持続可能な
財政運営の観点から、
取り組み全体の
進捗管理や
個別施設の
計画策定に係る調整など、
公共施設全体を対象とした管理を行う役割を担っているものと認識しております。
◆
伴良隆 委員 ここで、
住宅担当部長と
財政部長のお話が一致しているわけであります。
続いて、都市局に質問であります。
住宅マスタープランを着実に実行するためには
実行計画が必要でありますが、今どのような検討をされているのか、いつごろ、どのような形で明示していく予定か、伺います。
続けて、また、
住宅担当部として、
総量抑制、つまり
管理戸数抑制について、
目標値か、それに資するような数値をきちんと設けていくのかどうか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 市営住宅の今後の
実行計画と数量の
目標値についてお答えいたします。
まず、
実行計画ですけれども、
市営住宅の建てかえや
改善事業にかかわる
事業プログラムとして、10年計画でございますが、札幌市
市営住宅ストック総合活用計画というものを策定しておりまして、これが
実行計画になろうかと思います。今現在、この
活用計画の
改定作業を行っておりまして、今年度末をめどに作業を進めているところでございます。
続きまして、
数値目標のお話でございますが、
ストック総合活用計画の
改定作業を行っているその検討の中で、30年程度の長期間を想定して試算を行っております。この試算はどのような視点で行っているかと申しますと、団地の
応募倍率や立地、住棟の
建築年次などの建物の状況、団地の再編や集約の可能性、国費など事業費、事業量の状況、
民間賃貸住宅の
空き住戸や家賃の状況などを考慮して行っております。
この試算を行った結果、何らかの結果が出てくることになりますが、その試算の結果を、
目標値、つまりは実現、達成すべき水準として置くかどうかということについては、この試算の作業にあわせてよく考えていきたいというふうに思います。
◆
伴良隆 委員
市営住宅は、一応、試算結果として約2割減ということが書かれておりますけれども、それはそれとしても、
住宅担当部としては、まさに、責任を持って、いろいろな条件を組み合わせてその精密度を増していくというか、精密な数値をつくっていっている最中ということであります。しかし、試算値なのか、
目標値なのか、よくわからないような答弁でもあったかと思います。
計画中の今時点での不完全性や今後の不
確定要素は私も理解しておりますが、
オール札幌で進める
公共施設マネジメントに準じ、
市営住宅も、一定の
数値目標のもと、計画性を持って
総量抑制しなければ、一体、誰が、何を根拠にして今後の
取り組みを進められるというのでしょうか。
そこで、
財政部に質問であります。
市有建築物の
配置基本方針にある数値とは、
住宅担当部が言うように単なる数値であって、目指すべき
目標値のようなものではないのかどうか、伺います。
◎梅田
財政部長 現在
策定済みの
市有建築物の
配置基本方針の中では、今後の
人口推計や
用途別施設の方向性を踏まえて、おおむね30年先の
延べ床面積の試算を行っております。この試算に基づき、個別の施設のあり方を踏まえた上で、
部門別計画をつくっていくというのが現在の計画の内容となってございます。一方、今後、国からも計画の実効性を確保するために、目標の定量化を進めて、できるだけ
数値目標を設定するようにと求められております。
そこで、札幌市といたしましては、現在の
アクションプラン2015に次ぐ
次期中期実施計画の策定に合わせて、中期の
財源見込みを立てながら、
公共施設全体を対象とする中長期の
数値目標を設定し、施設を適切に、計画的に管理していきたいというふうに考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 もうちょっと詰めさせてください。
これは、今、長期的なものでということでございましたので、
市有建築物の
配置基本方針の数値は、単なる数字ではなく、長期的に目指すための試算値というところまでわかってきましたが、
財政部公共施設マネジメント担当としては、
市営住宅も含む
市有建築物についての
数値目標はきちんとつくらないのかどうか、これを伺います。
◎梅田
財政部長 財政の見通しを踏まえて中長期的な
数値目標をつくるのかどうかということでございますが、私どもが全体の
公共施設マネジメントをしていく上では、
市有建築物だけではなくて、
市有建築物あるいは道路等のインフラも含め、今後の
更新見通しを踏まえた上でトータルに
目標値を設定すべきものと考えております。個別の用途別の施設に一つずつ細かい
数値目標の内訳をどこまでつくるかということについては、今後の
検討課題というふうに認識しております。
◆
伴良隆 委員 これは、
住宅担当部と
財政部はどちらにしても市役所ですから、合わせわざで一本になれば、それはそれでいいとは思います。
しかし、平成29年度の
市行政評価の
外部評価報告書にきちんと書かれておりますが、その指摘は、市が施設を保有、提供していくことにこだわらず、
コスト試算を行った上で、
市営住宅の供給量のあり方について検討が必要である、このように言っております。ほかの部署においてもそうですが、先ほどの
住宅担当部の答弁では私はいささか心配を感じますので、慎重であることを超えて改革に消極的な
市有施設の
所管部署とならぬよう、
財政部には、引き続き目ききやチェックをしっかりしていただいて、今後は
所管部署がみずから堂々と目標や工程を掲げるように応援していただきたいと思います。
ところで、
市営住宅では相変わらず人気、不人気の偏りが大きく、均一した
市営住宅の配置といった当初目的は、実質、頓挫している部分もあり、
入居希望の倍率の偏りを解消していくことは適正な
市営住宅施策に必要不可欠であり、市は、これまでもできるだけ
空き室が出ないような募集に工夫してきたところでございます。また、要件を満たしながら、希望する
市営住宅になかなか入れないようなケースがある中で、既に居住している人の中には、
入居条件を超えるような収入にもかかわらず、居座るようなケースがあると聞いておりまして、今回の
住宅マスタープラン案にも公平・公正な
入居管理を推進するとしています。
そこで、質問でありますが、
入居要件を満たす人の希望がかなわないようなケースを少しでも解消しながら、今後、目標とする適切な
管理戸数を維持していくためにも、こうした不適格な居住をどのように改めていくのか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 不適格な入居をどう改めていくのかというご質問でございました。
市営住宅の場合は、
収入要件で入居の可否を決めておりますけれども、その中で、住み始めたときには
収入要件は満たしていても、その後、所得が上がって一定の基準を超えるケースもあります。そういった一定の基準を超える収入がある者については、
高額所得者と認定しております。額としては、
市営住宅に5年以上入居している者で、最近2年間、月額で引き続いて31万3,000円を超える者、これが
高額所得者の要件でございます。
高額所得者の場合、自主的に退去しない者に対しましては、期限を決めて明け渡し請求を行っております。期限が到来しても明け渡さない場合については、賠償金を請求し、最終的には
民事訴訟を提起することになります。
◆
伴良隆 委員 本来入れる人が入れないような状況がないように、引き続き、そこは徹底していただきたいと思います。
さて、
住宅マスタープラン案によりますと、
基本目標の考え方の一つに、これまで
住宅セーフティネットの中核を担ってきた
公的賃貸住宅に加え、今後は
民間住宅が担う役割を重要視し、
民間事業者等との連携のもと、多様化するニーズに応じて、より一層、充実した
住宅セーフティネットの構築を目指すとございます。一方で、本市では利活用が可能と思われる
民間賃貸住宅の
空き家は11万戸に上り、こうした
民間施設を活用していくことは、本市が今後目指す
市営住宅の
総量抑制にも有効であり、また、今日問題となっている民間の
空き家・
空き室対策全体にも好影響であり、
借り主不在で滞っている貸し主の
経済的活動にも一定の効果が期待できるものと考えます。
そこで、質問でありますけれども、今後は、
危険空き家の除去といった
管理業務だけではなく、国や本市の
各種住宅政策も踏まえながら、部局を超えて既存の
関連補助事業を駆使したり、新たな
補助制度を検討するなどして、
市営住宅の
総量抑制につなげていくための
空き家活用を効果的かつ積極的に進めていくことが必要でありますがいかがか、お考えを伺います。
また、
市営住宅の
総量抑制を図っていく都市局として、こうした利活用のできる可能性のある
空き家の活用について、民間とどう連携していくつもりか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 空き家の活用のために
各種施策を有効に活用していくべきということでございますが、住宅を担当している私どもとしても、
空き家が住宅として、人が住むものとして十分に活用されることは望ましいことだというふうに考えております。国でも、いわゆる
住宅セーフティネット法を改正して、
住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅としての
登録制度を創設したところでございます。
しかしながら、
住宅セーフティネット制度の
登録住宅は、札幌市では現在11戸だけの登録でございます。私どもとしてもふえてほしいという思いがありますことから、今後、
不動産関係団体のヒアリングなどもしながら、どのようにしたら
登録住宅がふえていくのか検討していきたいと考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 オーナーあってのことですけれども、ただ、施策としては、国もというお話がありましたが、市もやるのが望ましいというか、やらなければいけないわけですから、積極的に連携していただきたいと思います。
本市では、これまで、
市営住宅のうち、不人気な
空き室を埋める
通常募集に加え、若い夫婦や学生など年齢層や
家族構成などに配慮した要件や期間で一部募集を行うなどして、
市営住宅内での
コミュニティづくりも進めてきたところであります。こうした
空き室を埋めるさまざまな
取り組みは確かに効果的な手法であるとは思いますが、
コミュニティーの維持を強い理由に
空き室を埋めていくのであれば、
住宅マスタープランで言う
総量抑制、つまり
管理戸数とどのように
バランスを図るのかが心配にもなるところでございます。
そこで、質問でありますが、
市営住宅の
空き室を埋めることと、全体の
総量抑制、つまり
管理戸数の抑制との
バランスをどのように図っていくのか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 空き住戸をどんどん提供して入居しやすいようにしていくという
取り組みと、今後の
管理戸数の抑制との
バランスをどうとっていくのかということでございます。
中長期的な視点、あるいは、いわゆるマクロ的な視点で捉えますと、
マスタープランでは、今後到来が予想される
人口減少等を踏まえて、将来世代の負担の軽減や
空き住戸の多い
民間賃貸住宅の
有効活用の観点から
市営住宅の
管理戸数は抑制していくことを基本として打ち出させていただいております。一方で、短期的というか、ミクロ的な視点では、
行政財産の
有効活用や
市営住宅自治会の運営を維持する観点から、
通年募集などによって入居を促進していくものであります。実際に
管理戸数を抑制していくためには、建てかえ事業が一つのタイミングだと捉えておりまして、その建てかえに当たっては事業を開始する数年前から募集を停止しておりますので、そこを考えますと、
入居促進策と
管理戸数の抑制については決して相入れないものではないというふうに考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 部長、それは結果的にそうなるという話ですよ。
私が言いたいのは、
空き室を埋めるというのは、まさにミクロの各論かもしれません。でも、今おっしゃったように、建てかえ更新のときにどれだけ減らせるのかと考えるには、全部、何を根拠にして減らしていくのかと。つまり、僕が言いたいのは、
数値目標なくしてどうやってやるのですかということなのですよね。今のお話はわかるのですけれども、私にはまだ受け身に聞こえます。
そもそも不人気な
市営住宅団地の
周辺エリアでの
空き家、
空き室はふえておりまして、こうした
市営住宅以外の周辺の
空き家、
空き室にも対応しなければならず、
市営住宅団地内の
コミュニティづくりだけに特化し、
市営住宅の
空き室を埋めるような
取り組みだけでは、
市営住宅団地を含む一定の地域内での
コミュニティづくりとの整合性はとれているとは言えません。
市営住宅団地内での一定の
コミュニティづくりは確かに必要でありますが、そのために
空き室を埋めていくというよりも、今後は、
隣接町内会などの
周辺エリアを一体に考えた
コミュニティづくりを視野に入れた上で、果たしてどの
空き室を埋めていくべきなのかなど、まさに
管理戸数抑制や建物の
耐用年数を見据えながら慎重に判断していくべきだと思います。
今、
コミュニティーのほうに視点を移しましたが、そこで、質問であります。
市営住宅団地の
コミュニティづくりを
周辺地域全体の
コミュニティづくりの中で考えた上で、例えば
市営住宅団地の周辺にある
空き家、
空き室の活用なども行いながら、各
市営住宅の管理や建てかえを総合的かつ計画的に考え、進めていくべきであると考えますがいかがか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 市営住宅団地周辺の地域の
コミュニティーと申しますか、これからは地域のことも考えて
住宅行政を進めていくべきではないかということでございます。
市営住宅の入居者の方々も、もちろん
周辺地域の
コミュニティーの一員でございまして、その
周辺地域の
コミュニティーを維持していくことは非常に大切なことだというふうに思っております。私も
まちセンの所長をやったことがありまして、
地域コミュニティーの大切さというのは肌で感じてきたところでございます。一方で、
市営住宅につきましては、自治会が組織され、それ自体が一つの
コミュニティーでありまして、それを維持することについては、
市営住宅の管理の一部を自治会が担っていることも考え合わせますと、そこも必要なことだと考えております。
とは言いながらも、
住宅部局として、例えば、家を探している方に、
市営住宅でなくて、こちらのほうをどうですかとお勧めするようなことは、どこに住むかという権利は市民にありますので、そういったことを進めていく考えは今のところ持っておりません。
◆
伴良隆 委員
地区センターの所長というか、出張所の所長かわかりませんが、
皆さん方もご承知のとおり、当然、団地内の
コミュニティーは大事だし、それだけではなくて、ある一定のエリアのところで成り立つ
コミュニティーが大事だというのは、夏祭りもそうですけれども、何でもそうやっているわけです。そういう中で、
コミュニティーのために何が何でもここの
空き家を埋めましょうというときに、やっぱり
財政部は見ているわけですから、何で埋めるのかと問われたときに、
コミュニティーが大切ですよ、でも、総量の抑制の中でこれだけの目標があってうんたらかんたらと言いながら、だからここを埋めなければいけないと言うのか、あるいは、埋めないのか、そういうことをきちんと説明できるようにしなければいけない、私はこういうことを申し上げたいわけです。
それから、立地もそうです。
市営住宅団地の場所によっては、その他の利用で活気が出るような
まちづくりや開発もあるのですから、建てかえるにしても、既存の立地だけでなく、周辺の
土地利用も含め、
まちづくり部門とよくよく相談して進めるように指摘しておきます。
住宅マスタープラン全体にも言えることですが、
市営住宅の総量、つまり
管理戸数抑制や、それに伴う
空き家・
空き室活用といった目標を達成していくことは、これまで行ってきたような管理や建てかえ更新でなせるものも確かにございますけれども、
住宅担当部の精いっぱいの力でやっても大変難しい部分もあるのではないかと思います。例えば、本市で言えば、
エリアマネジメントを担う
まちづくり政策局、
地域コミュニティづくりを担う
市民文化局、
公共施設マネジメントや
財産活用を担う財政局、その他、関連のある
環境局等、次に、
都市局内においては建物の保全、補修といった
ストックマネジメントや
空き家、
空き室を担う各部署、また、民間におきましては、先ほどの答弁で触れられましたが、いわゆる
宅建協会や
不動産協会などといった
関係団体や事業者、そして、当然のことながら住宅のオーナーや
市営住宅の入居者など、さまざまな機関や人々がかかわっていかなければなりません。
そこで、最後に、
佐藤都市局長にまとめて質問であります。
住宅マスタープランが大方策定できてきているところですが、
市営住宅にかかわる計画を実行していくには、長期的かつ総合的な視点のもとに、
関係機関や関係者の協力を得ながら丁寧かつ確実に進めていかなければなりません。今後の計画や体制、内外の連携についてどのように考えているのか、伺います。
◎佐藤
都市局長 市営住宅の計画を今後どのように進めていくのかというご質問かと思います。
まず、
市営住宅は、
世帯状況に応じまして、誰もが安心して暮らせる住まいの選択肢の一つ、そのように考えてございます。今後は、
人口減少あるいは
少子高齢化などの
社会情勢の変化を踏まえまして、これまでの安心・安全な住まいの提供のみの観点だけではなくて、例えば、大
規模団地の建てかえ時におきましては、その地域の将来像あるいは
まちづくりに大きくかかわってまいります。そういうことから、この計画を進めていく上では、庁内横断的な検討も必要かと思っておりますし、また、住民のさまざまなご意見あるいは
関係団体のご意見もお伺いしていかなければならないものと考えてございます。また、委員の皆様とは、将来の札幌の
まちづくりの観点からも、今後も引き続きさまざまなご議論をさせていただければと思っております。
◆
伴良隆 委員 しっかりと受けとめました。
私は、自分だけのバイアスがかかっていないかどうかと考えましたので、
市有建築物のあり方に関して1万人に問うている
市民アンケートの結果を見ました。別に割愛したわけではありませんけれども、ちゃんと書いてあります。今後、
公共施設の整備をどのように進めていくべきかといった問いに対して、現在ある
公共施設の中から取捨選択した上で建てかえ、維持していくべき、あるいは、
公共施設の総量を削減するべきといった回答が全体の82.2%でございます。それから、行政施設と類似する機能を持つ
民間施設がある場合、行政が施設を所有せず、その役割を
民間施設に任せることについてどのように思うかでは、賛成が66.7%、反対は9.8%でございます。最後に、
公共施設のあり方を検討するに当たっては何を重視すべきかについて、10項目あるうち、将来世代に過度の負担を残さない
財政運営という項目が60.4%で最多であります。
まずは、入居者や
住宅確保を必要とする市民に十分配慮しながら、一方で、多くの市民が望んでいるように、私たちや子どもたちの未来に過度な負担を残さない
市営住宅団地改革が着実に進むように、必ず、具体の目標と工程をしっかり掲げた
実行計画をつくるよう強く指摘しまして、以上で終わります。
◆畑瀬幸二 委員 私からは、建築物の免震・制振用オイルダンパーの検査データが製造メーカーによって意図的に改ざんの書きかえが行われるなど不正が行われていたことについて、大きく6点ほど質問いたします。
10月16日に、国土交通省において、KYB株式会社及び子会社のカヤバシステムマシナリー株式会社が製造した免震・制振用オイルダンパーの一部に不正があって、本来の性能基準を満たさない製品があることが判明したところであります。また、昨日は、新たに、光陽精機株式会社が製造し、株式会社川金コアテックが出荷したオイルダンパーについても同様の不正があったことが国土交通省から発表されたところであります。
そこで、最初に伺いますが、1点目として、光陽精機製のダンパーが設置された
市有施設等についてであります。
新たに発表された光陽精機製のダンパーが使用されている
市有施設はあるのか、伺っておきたいと思います。
◎大島 建築部長
市有施設での光陽精機製ダンパーの設置状況についてでございますが、この件につきまして調査いたしました結果、当該メーカーのダンパーが設置された
市有建築物はないことを確認済みでございます。
◆畑瀬幸二 委員 ないとのことでありますので、2点目の質問に移りたいと思います。
KYBグループ製のダンパーが設置された
市有施設等についてであります。
札幌市の
市有施設におきましても、白石区複合庁舎、札幌ドーム、市民交流プラザを含むさっぽろ創世スクエアの3施設においてKYBグループが製造したオイルダンパーが設置されているとのことでありますが、それらのオイルダンパーは、検査データの書きかえや国土交通大臣認定の不適合はあったのかどうか、伺います。
また、このうち、札幌ドームについては、免震構造でも制振構造でもない一般的な耐震構造と聞いておりますが、どのような部分に当該ダンパーを使用しているのか、伺います。
さらに、それら3施設のほかにKYBグループのオイルダンパーが設置された
市有施設はないのか、以上3点を伺っておきます。
◎大島 建築部長
市有施設に関連しまして、3点の質問がございました。
まず、1点目のKYBダンパー設置の3施設のデータの書きかえ等の有無についてでございます。
白石区複合庁舎、札幌ドーム、市民交流プラザを含むさっぽろ創世スクエア、この3施設で当該メーカーのオイルダンパーが設置されていることを確認したところでございますけれども、いずれにつきましても、検査データの書きかえ、大臣認定の不適合の有無は、現時点ではまだ判明しておりません。
次に、2点目の札幌ドームにおけるKYBのダンパーの使用についてでございます。
札幌ドームにつきましては、当該ダンパーは展望台へのエスカレーターの揺れを軽減するために、エスカレーターの中間部にある踊り場の部分に制振ダンパーが4本設置されている状況でございます。
3点目のこれら3施設以外のダンパーの有無についてでございますが、今申しました3施設以外に当該メーカーのダンパーが設置された
市有施設がないことを確認してございます。
◆畑瀬幸二 委員 3点目は、データ書きかえの有無等の調査についてであります。
検査データの書きかえや大臣認定の不適合があるのかどうかについては現時点ではわかっていないとのことでありましたが、早急に調査、確認を進める必要があります。今後、調査はどのようなスケジュールで進めるのか、調査結果はどの程度の期間で判明するものなのか、伺っておきたいと思います。
◎大島 建築部長 スケジュール等についてでありますが、白石区複合庁舎と札幌ドームにつきましては、施工者やメーカーに対しまして、早急に調査を行い、その結果を報告するよう指示しているところでございます。
しかしながら、全国的に相当数の該当施設がございますことから、調査には時間を要することも考えられますので、現時点では調査結果が判明する時期のめどは立っていない状況でございます。
なお、さっぽろ創世スクエアにつきましては、札幌市と民間事業者から成る再開発組合により整備された施設でございますので、こちらにつきましては、再開発組合が施工者、メーカーに対応を求めている状況でございます。
◆畑瀬幸二 委員 事情はわかりました。
4点目の質問に移りますが、当面の安全性についてであります。最も重要な安全性の問題について、とりわけ防災拠点である白石区複合庁舎について質問いたします。
国土交通省の発表では、不適合品の中でも特に正規の基準との乖離が大きいオイルダンパーが設置されている建物について、サンプル調査として構造の安全性を検証した結果、震度6強から7程度の地震に対して倒壊するおそれはないとの見解が示されております。しかしながら、対象の施設は、47都道府県で986件にも上り、まさに全国規模の問題であるため、今後の対応には時間を要する可能性もあるのではないかと危惧しているところであります。
そこで、質問ですが、仮にふぐあいがあった場合、その対応がなされるまでの間、当面の安全性については問題がないのか、札幌市の見解を伺います。
また、さきの北海道胆振東部地震において、白石区複合庁舎の被害は他区役所庁舎と比較してどうであったのか、伺います。
また、あわせて、白石区複合庁舎の免震装置は全部で4種類、57基設置されており、問題のオイルダンパーはそのうち10基であります。地震の際には、建物と地面がどのように動いたのか記録されるようになっており、私も地震後に現地を確認しましたが、最大で北西方向に5センチメートル弱の振幅があったことが記録されておりました。白石区の震度は5強でしたが、最大震度の7が来た場合、どの程度の振幅まで耐えられる設計となっているのか、それは、今回の地震の経験と突き合わせて札幌市としてどのように判断しているのか、伺いたいと思います。
◎大島 建築部長 白石区複合庁舎についてお答えいたします。
まず、当面の安全性についてのご質問でございますが、白石区複合庁舎の免震装置は、天然ゴム系積層ゴム支承が9基、支承と申しますのは上下の構造体の間に設置する部材ですけれども、鉛プラグ入り積層ゴム支承が21基、転がり支承が17基、そしてオイルダンパー10基の計57基によって地震時に機能するように構成されております。そして、仮にオイルダンパーが機能しなくても、別の免震部材がそれぞれ性能を発揮することや、また、オイルダンパーにつきましても、もし仮に基準値から外れていたとしても一定の効果は期待できることから、大地震時におきましても、当該建物が倒壊するおそれはないものと考えておりまして、緊急に安全性が問題となる状況ではないというふうに考えております。
もちろん、現時点では不適合の有無が判明しておりませんので、その調査を急ぐよう、引き続きメーカーに求めてまいります。
また、他の区役所との被害の比較でございますが、このたびの地震において、他の区役所庁舎では、構造体の損傷はなかったものの、一部において壁や天井の仕上げ材の損傷あるいは家具の転倒などの被害がございました。それに対しまして、白石区複合庁舎では、そのような被害はなかったということでございます。
次に、震度7の場合の安全性についてでございますが、白石区複合庁舎の免震装置は、震度7想定、最大で45センチメートルの振幅まで機能できるよう設計されております。今回の地震での最大の振れ幅は、先ほど委員のご質問の中にもありましたとおり5センチ程度であったことや、庁舎内での仕上げ材の損傷や家具の転倒といった被害もなかったことを含めて考えますと、免震構造として適切に機能したものというふうに考えております。
◆畑瀬幸二 委員 5点目は、仮にデータの書きかえや大臣認定不適合があった場合の対応についてであります。
今後、早急に調査を進めるべきでありますが、仮に、調査の結果、検査データの書きかえがあり、オイルダンパーが大臣認定に不適合だった場合にはどのように対応していくのか、伺います。
◎大島 建築部長 大臣認定の内容に不適合の製品につきましては、書きかえの有無が不明な製品も含めて、適正な製品に交換するという方針がKYBより示されているところでございます。札幌市といたしましても、大臣認定に適合しない場合には、施工者、メーカーに早急に交換するように指示しているところでございます。
◆畑瀬幸二 委員 最後に、6点目として、不正の再発防止についてであります。
国土交通大臣の認定した製品は、大臣認定という信頼のもとに活用されてきたと思いますが、このたびの不正行為は、そうした信頼を裏切る大変許しがたい行為であります。長年にわたり、不正行為が繰り返されていたその温床となったのは、自社での検査体制にあるのではないかと思うところであります。大臣認定を取得するには厳しい審査があっても、製造段階における製品の検査は製造者任せであったことが不正につながったのではないでしょうか。
本来であれば、地震の活動期に入ったとも言われる昨今、免震や制振構造は有効な工法でありまして、失った信頼を取り戻すには、国や第三者機関が製品の検査を行う仕組みの構築など、不正防止の観点から抜本的に検査・チェック体制を見直し、強化していくことが重要と考えますが、札幌市の基本的な見解を伺っておきたいと思います。
◎佐藤
都市局長 不正防止に向けた検査体制の見直しについてお答えいたします。
このたびの不正行為は、委員からもご指摘がございましたが、大臣認定制度を揺るがす許しがたい事態と考えております。国土交通省は、KYBグループに対して、今後、出荷する製品の全てについて第三者の立ち会いにより検査を行うよう指示しているところであり、札幌市といたしましても、検査での第三者による関与は不正防止の有効な手段であると考えております。
国土交通省では、今回の不適合事案の原因究明の結果を踏まえて再発防止策を検討することとしているところでありまして、札幌市としましても、その動向を注視してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 私からは、震災による
市営住宅への影響と被災者への
市営住宅の提供について、さらに、台風や震災を受けての
空き家対策について、順次、お伺いいたします。
それでは、まず、
市営住宅の被害状況についてお伺いいたします。
今回の震災では、札幌市においても建物の損壊や道路の陥没など大きな被害がありましたが、
市営住宅でも建物や敷地などで多数の被害があったと伺っております。
そこで、最初の質問でございますが、
市営住宅において具体的にどのような被害があったのか、お伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 市営住宅の被害状況についてお答えいたします。
このたびの地震によって、
市営住宅の建物や敷地内の共同設備等で多数の被害を受けました。大規模な被害としては、白石区の東川下団地の給水設備受水槽の破損や清田区の里塚団地の敷地陥没と地盤沈下、それから、厚別区の新さっぽろ団地の共用廊下の天井の破損などがあります。また、小規模な被害としては、住戸内で漏水や壁のひび割れ、ガラスの破損などが多数見られております。
なお、建物躯体そのものに被害があった団地はなく、入居者の安全は確保されているところでございます。
◆前川隆史 委員 今のご答弁でもございました東川下団地の給水設備の損壊につきましては、私の地元でありますので、発災直後から自治会の役員の皆さんのご相談を受けてまいりましたが、入居者宅への給水確保の観点からも非常に心配しているところでございます。
そこで、質問でございますが、給水設備が受けた損壊状況についてお伺いいたします。
また、設備の損壊により漏水もかなりあったということでございますので、入居者は長期的な断水のおそれもあり、不安を生じたと伺っておりますが、入居者への対応を含めた初期対応はどのようなものであったのか、あわせてお伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 東川下団地の給水設備の被害と初期対応についてお答えいたします。
まず、被害ですが、今回の地震によって、東川下団地のうち、南側にあるS団地は2槽ある受水槽のうち1槽が破損、そして、北側にあるN団地は2槽ある受水槽がどちらも破損しました。地震発生後は、停電により給水ポンプが停止したため、断水となりましたが、停電復旧後にポンプが稼働した際に、S団地では、被害のなかったほうの受水槽で給水を再開いたしました。一方、N団地では、受水槽の亀裂から漏水しながらも、何とか各住戸への給水を再開することができました。ただ、N団地の受水槽は、そのままでは亀裂が徐々に大きくなり、そのうち使えなくなるおそれがあったため、本格的な補修を行うまでの間、まずは亀裂の部分を塞いで、受水槽からの漏水を最小限に抑える応急的な措置を行いました。
初期対応でございますが、地震発生直後、N団地については、まだ応急的な措置が終わっていなかったため、停電が復旧してポンプの稼働が再開した後も断水のおそれがあったことから、直結直圧方式で水が出ていた集会所を臨時給水所として開設し、入居している全世帯に周知した上で、指定管理者の職員による給水袋の配付や運搬といった対応をとりました。
◆前川隆史 委員 現在は、暫定的に給水が行われているということでございましたが、いつまでもそのままというわけにもいかないと思います。
そこで、質問でございますが、給水設備の今後の本格的な修繕の具体的方法と、そのめどについてお伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 東川下団地の給水設備の今後の本格的な復旧についてお答えいたします。
復旧には受水槽を交換する方法も考えられますが、交換には多額の費用を要することに加え、受水槽のほかに圧力ポンプや圧力タンクが設置されていて、いずれも老朽化が著しく、今後の故障の可能性が否定できない状況にあります。このような状況を踏まえるとともに、衛生的な飲料水の確保の観点からも、受水槽や圧力ポンプ等を使用せず、水道本管から直結直圧方式による給水方式に切りかえる復旧を検討しておりまして、水道局の審査終了後に工事に着手する予定としております。
なお、給水方法の変更により敷地内の一部で埋設管の交換も必要となりますので、これから積雪期を迎えることを考えますと年度内の復旧は微妙な状況ではございますが、できる限り早期に復旧できるように努めてまいります。
◆前川隆史 委員 直圧方式に変更して何とか年度内に施工したい、そういったご答弁でございました。
私も給水槽の亀裂を拝見させていただきましたが、かなりな亀裂でございました。1槽に60トンの水が入っていて相当の水圧がかかっていると思いますし、まだ余震も続いていて、団地にお住まいの方も不安に思っているかと思いますので、なるべく早急な本格的修繕を要望したいと思います。
次に、北海道胆振東部地震被災者への住宅支援についてお伺いいたします。
今回の震災では、札幌市内でも清田区里塚地区などで特に大きな被害が発生いたしまして、住宅損壊で引き続き自宅に住み続けることができなくなった被災者もたくさんいらっしゃいました。こうした被災者への
住宅確保支援は急務でございまして、札幌市では、その対応策として発災当日より
市営住宅の提供を行ってまいりました。
そこで、質問でございますが、現在、札幌市で行っている
市営住宅の提供の概要についてお伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 北海道胆振東部地震における被災者への
市営住宅の提供についてお答えいたします。
北海道胆振東部地震により被災し、住宅に引き続き住むことができず、住宅に困窮している方に対しまして、一時的な避難場所として、もみじ台団地の4階、5階を中心とした住戸を、平成31年3月31日を期限として無償で提供しております。ただし、身体障害者手帳や要介護認定を受けている方で階段昇降が困難な方がいる世帯には1階ないし2階の住戸を、また、小・中学生がいる世帯には、通学区域を考慮して、もみじ台団地以外の
空き住戸のある団地をご案内しているところでございます。地震発生当日の9月6日から提供を開始しまして、昨日、10月23日の段階で103世帯に提供し、そのうち既に42世帯は退去済みのため、61戸を提供している状況でございます。
◆前川隆史 委員 昨日現在、103世帯への提供を行い、うち42世帯が退去済みで、61戸が使用されているということでございます。ただ、使用期限が平成31年3月31日までとなっていまして、それまでに住宅の修理が終わってご自宅に戻る、あるいは、新たな転居先を見つけられた場合は問題ないと思いますが、なかなか次の住居を見つけられない方もいらっしゃると思います。
そこで、質問でございますが、延長なども含めて、平成31年3月31日以降の取り扱いはどのように考えているか、お伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 平成31年3月31日以降の取り扱いについてお答えいたします。
市営住宅の提供は、次の住宅を確保できるまでの一時的な使用という位置づけでありますので、平成31年3月31日を期限として提供したところでございます。
しかしながら、復旧状況によっては、住宅の再建などが長引き、期限までに次の住宅を確保することが困難になる場合も想定されます。そのため、平成31年4月以降の一時使用の延長については、復旧状況も踏まえて検討することといたしまして、早い時期に入居されている被災者にその結論をお伝えしたいと考えているところでございます。
なお、延長するか否かにかかわらず、一時使用期間終了後については、
収入要件などの通常の
市営住宅の入居資格を満たし、かつ、罹災証明等で一定の被災状況が確認できる方については、ご希望があれば、収入に応じた家賃を負担していただくことにはなりますが、現在お住まいの
市営住宅にそのまま正式入居していただけるように検討しているところでございます。
◆前川隆史 委員 4月以降も入居できるような体制も検討している、また、条件が見合えばその後も正式入居できるように検討しているということでした。
被災者の中には、住宅の傾きとか損傷で生活に不安や不自由を大変感じて転居を希望しているものの、応急仮設住宅の申し込み資格には該当しないために転居先に困っている方もいらっしゃると伺っております。また、今回の
市営住宅の提供はあくまで一時使用なので基本的には厚別区もみじ台団地での提供でございますが、やはり、できればなれ親しんだ地域にある
市営住宅に正式に入居したいと希望している被災者もいると伺っております。被災者に寄り添った
住宅確保支援ということを考えますと、応急仮設住宅の提供や、もみじ台団地の一時的な提供だけではなく、被災者が恒久的に生活できる住宅として
市営住宅を優先的に提供していくことも必要ではないかと思います。
現在、札幌市では、札幌に自主避難されている東日本大震災の被災者を対象として、その方たちだけが申し込みできる優先申し込み枠を設けております。
そこで、質問ですけれども、札幌市の
市営住宅募集において、東日本大震災被災者向けの優先申し込み枠だけではなく、今回の北海道胆振東部地震の被災者を対象とした優先申し込み枠も設けるべきではないかと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎佐藤
住宅担当部長 市営住宅入居者募集での優先申し込み枠の設定についてでございます。
今回の地震では、市内各地で住宅に被害が多数生じており、被災者には、当面の間、継続した
住宅確保の支援が必要と考えております。そのため、今後の
市営住宅入居者募集においては、今回の地震で一定の被害に遭われた方を対象とした優先申し込み枠を設けることについて検討を進めているところでございます。その実施時期、実施期間、内容等については、札幌市の附属機関である札幌
市営住宅入居者選考委員会の意見を伺うことになりますが、できるだけ早く実施できるように事務を進めていきたいと考えております。
◆前川隆史 委員 可能な限りの対応をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
最後に、空き家対策について、初めに、台風21号及び今回の震災の影響に関してお伺いいたします。
もう何度も申してまいりましたが、今回は台風が猛威を振るった翌日に大地震が発生いたしまして、台風ではトタン屋根や外壁などが剥がれて飛ばされたり、地震では煙突の倒壊や外壁の剥落、家が傾いて住めなくなるなど多くの家屋が被害を受けて、住民生活に深刻な影響を及ぼしております。私の地元の白石区でもそういった被害が数多く発生しておりまして、きょうまでたくさんのご相談もいただいてまいりました。実際に人が住んでいる家屋でもかなりの被害を受けていることから、まして、住んでいない家屋、空き家となると、同様か、否、それ以上の被害を受けている可能性があると考えられます。
そこで、伺いますが、今回の台風や地震による空き家での被害状況及びその対応についてお伺いいたします。
◎倉嶋 建築安全担当部長 今般の台風や地震によります空き家での被害の状況と対応についてお答えいたします。
空き家につきましては、通常1カ月当たり20件程度の通報が新規で寄せられておりますけれども、台風と地震のありました9月には、通常の約3倍の64件の通報が寄せられております。そのうち、台風と地震の被害に関するものにつきましては46件でございました。また、このほかに、危険な空き家である特定空き家としてこれまで所有者に指導を行っているものにつきましては、通報が16件でございました。
通報がありました以上の空き家につきましては、現地確認等を行いまして、必要に応じて所有者へ指導しているところでございます。
◆前川隆史 委員 通常の3倍の通報があったというようなお話もございました。危険な空き家については、周囲への影響も考えられますので、心配している市民は大変多いかと思います。
先ほどの答弁では、通報のあった
空き家は現地確認を行っていると言われましたが、通報のないものについては状況の確認をしていないのではないかと思います。特に、これまで指導を行っている
空き家は、以前から危険な状態でありますが、今回の台風や地震によって損壊等が拡大するなどの被害を受けている可能性があるのではないかと想像されます。
そこで、これまで指導を行っている危険な
空き家の被害状況について、今後どのように把握していくのか、お伺いいたします。
◎倉嶋 建築安全担当部長 指導を行っております危険な
空き家の被害状況の把握ということでございます。
現時点では、市民の皆様からの通報への対応を優先しておりますが、指導を行っております危険な
空き家につきましても、適宜、状況を確認しているところでございます。揺れの大きかった地域あるいは被害の大きかった地域から現地確認を行い、状況が悪化している
空き家等があれば改めて所有者への指導をするなど、安全確保に努めてまいりたいと思っております。
◆前川隆史 委員 揺れの大きかった地域、被害の大きかった地域から優先的に確認していくというご答弁でございました。
2点目は、
空き家の所有者に関してお伺いいたします。
昨年の4定の代表質問で私が危険な
空き家の解消の課題について質問した際に、
空き家が解消されない大きな要因の一つとして、相続関係が複雑で整理が進まないなど相続に起因した問題があるというご答弁がございました。所有者は相続に関する十分な知識を持ち合わせていないことが多いため、専門的な知識を持つ司法書士の協力を得られるよう、本年2月に札幌司法書士会と協定を締結したことは評価しているところでございます。
そこで、最後の質問でございますが、札幌司法書士会との協定締結による成果はどのようなものか、お伺いいたします。
◎倉嶋 建築安全担当部長 札幌司法書士会との協定締結以降の成果ということでございます。
危険な
空き家に対する指導におきまして、相続問題を抱える所有者の皆さんが具体的に相談を受けることができますよう、札幌司法書士会において開設しております
空き家に関する相談窓口を案内し、対応していただいておりまして、その相談窓口には現在まで30件ほどの相談が寄せられていると聞いております。また、所有者が不存在あるいは不明である
空き家に対しましては、札幌市が相続財産管理制度や不在者財産管理制度を利用した際に、札幌司法書士会から推薦を受けた司法書士の方に財産管理人として
空き家の解消を円滑に進めていただくなど、協力をいただいているところでございます。
以上のことにより、これまで手をつけることができずにいた
空き家の解決に向けた動きを着実に進めており、成果があるものと認識しております。
◆平岡大介 委員 私からも、
市営住宅の災害にかかわる給水方式について、また、
市営住宅における水道管の更新について、5点ほど質問させていただきます。
さきの北海道胆振東部地震の発災時の停電により、市内の高層マンションを初めとした給水に電力を使用する建物では、断水が起き、水を階段で運ばなくてはならなくなる、またはトイレを使えなくなるといったことで、市民生活に大きな影響を与えることとなりました。具体的には、水道水を電動ポンプで屋上や地下の水槽にためてから各部屋に給水する受水槽方式は、停電すると電動ポンプが稼働しなくなってしまうために断水してしまいました。一方で、配水管の水圧を利用して各部屋に給水する直結方式のところでは断水を免れたという状況でありました。
そのような状況は、
民間住宅だけではなく、
市営住宅においても発生したと聞いておりますが、実際にはどのような状況であったのか、断水した団地の数、つまりは電力を要する給水方式である団地はどれだけあるのか、まず、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 市営住宅の断水状況に関するご質問でございました。
このたびの地震により発生した停電により、給水にポンプを使用している団地では停電の影響でポンプが停止したことから断水が発生しております。ポンプを使用している給水方式としては、ただいま委員からお話がありました受水槽方式のほかに、直結加圧方式というものがありまして、これは、水道本管から建物の給水管へ直結しているものの、本管の水圧だけで各住戸へ給水できないところはポンプで加圧して給水するものでございます。
現在、給水にポンプを使用している
市営住宅は、71団地、378棟、戸数で言いますと1万5,333戸でございます。
◆平岡大介 委員 1万5,333戸ということで、相当な戸数で断水がありました。また、直結方式でありながらも、水圧が不足している場合にはポンプで加圧して供給している団地もあるということでした。
本市の水道局で発行している「おいしい水道水を飲もう〜中高層建物の給水方式について〜」という冊子では、直結方式と受水槽方式それぞれの特徴について掲載されております。直結方式の場合は、配水管と同じ水質の水道水を利用できる、つまりは、一度水をためることがないので、一般的にはおいしい水を飲むことができると言われています。また、受水槽が要らないのでスペースをとらない、維持管理費が節約できる、電気代が割安となります。一方で、受水槽方式は、一時的に多量の水を使用する施設に適していること、事故や災害などでの断水時でもためている水を利用できるということであります。しかし、今回の災害については、電気が使えなくなったために、そのためている水も使えなかったということであります。つまり、災害の状況によって使える、使えないがあり、どちらの方式も一長一短があるのだと考えます。
そこで、質問ですが、直結方式の場合は4階か5階まで給水が可能だと言われておりますけれども、団地によっては4階、5階の建物であっても受水槽方式のところもあります。自治会から、今回の災害を受け、直結方式にかえてほしいなどの要望があれば、それぞれの特徴について丁寧に説明すると同時に、自治会の求めに応じた改修も検討すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 給水方式の変更についてのご質問かと思います。
給水方法を受水槽方式から直結方式へ更新することは、衛生面や維持管理面からも有効であります。現在は建てかえ時に直結化を行っておりますが、今後は、
市営住宅の長寿命化ということも考えますと給水設備の更新も必要でありまして、建設年次が古いなど、優先順位をつけた上で計画的に行っていくための検討をしていたところでございます。
なお、更新工事を行う際には、自治会に対して、給水方法の特徴を含め、丁寧な説明を行ってまいる考えでございます。
◆平岡大介 委員 ぜひ、適切な対応を行っていただきたいと思います。
次に、水道管の更新について伺います。
今回の胆振東部地震の約1カ月前に、東区の美香保団地において給水管からの漏水による断水が発生したと聞いておりますが、なぜ漏水が起きたのか、その原因と、どのような対応を行ったのか、復旧に向けた対応について伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 美香保団地の断水についてお答えいたします。
8月7日の午後7時ごろですが、美香保団地の敷地内に埋設している給水管が腐食により破損して漏水しました。その影響で、10棟ある美香保団地のうち、7号棟と8号棟を除く8棟の計257戸において断水が発生しました。翌8日に破損した水道管を交換する復旧工事を行い、夕方には全面復旧しております。
入居者への対応といたしましては、自治会と相談の上、翌日の朝ですが、団地掲示板に断水についてのお知らせ文を掲示して周知を行いました。また、水道局から給水車2台を団地に派遣してもらい、給水を開始し、水道局と私ども住宅課の職員が給水袋の各住戸への運搬を補助しております。
◆平岡大介 委員 基本的に、
市営住宅の水道管の更新はどれくらいの頻度で行われているのか、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 給水管の更新頻度でございます。
市営住宅は、今まで35年から40年前後で建てかえを行っていたこともありまして、給水管を含めた給水設備について計画的な更新は行っていない状況でございます。
なお、各住戸内の給水管などについては、適宜、修繕などの対応をしております。
◆平岡大介 委員 建てかえの時期に同時に水道管の更新も行うということでありますけれども、今回の事例のように、建てかえ前に老朽化による漏水が起きたということでは、更新時期の見直しが必要ではないかと考えますがいかがか、また、今回は、管の腐食、要はさびてそこから水が漏れたということですが、ほかの団地において同じようなことが起こる懸念はないのか、伺います。
また、他の団地についても水道管の点検が必要ではないかと思いますが、伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 給水設備の更新についてのご質問でございました。
市営住宅については、今後、今までの建てかえの目安である35年から40年を超えて使用していく住棟も出てくることから、給水設備を更新しなければ、給水管の破裂等が起き、今回のような漏水による断水の発生のおそれもあります。このことから、給水管を含めた給水設備の更新を行う必要があると考えておりまして、計画的に更新を行っていくための検討をしていたところでございます。
また、給水管の点検でございますが、敷地内の埋設管、つまり地中に埋まっている給水管の点検は非常に難しいことから、今のところは計画的な更新を進められるよう努めていく考えでございます。
◆村松叶啓 委員 私からは、平成30年北海道胆振東部地震により被害に遭われた方々への支援制度の一つである公費撤去について質問いたします。
今回の地震においては、札幌市では最大震度6弱というこれまで経験したことのない揺れに襲われ、液状化などにより道路や宅地の地盤沈下を起こした里塚地区を初め、多くの家屋などが被害を受けたところです。
この状況を受けて、札幌市では、今回の地震により被害を受けた家屋などのうち、罹災証明で全壊の認定を受けたものについては、所有者の申請に基づき、札幌市が公費にてその建物を撤去する、いわゆる公費撤去の制度が去る10月15日から開始されたところであります。
そこでまず、質問ですが、確認のために、この制度の対象となる家屋の条件など基本的な制度の概要について伺います。
また、全壊と認定された家屋が市内に全部で何件あり、このうち、今のところ何件から申し込みが来たのか、あわせて伺います。
◎大島 建築部長 1点目の公費撤去の制度の概要についてですが、撤去の対象といたしましては、全壊の認定を受けた家屋のほか、倒壊のおそれがある車庫や塀なども対象としております。また、この制度では、市民が所有する家屋などを札幌市が撤去するために、事前に、所有者と札幌市、撤去を行う業者の3者で現地立ち会いを実施して、撤去の対象などを協議した上で撤去を実施するものでございます。
2点目の申請件数についてでございますが、昨日、10月23日時点では、全壊の認定を受けた件数は市内で89件あり、そのうち5件の申請を受理しております。まだ申請件数が少ない状況ではございますが、受付は先週から始めたところであり、また、申請を望む相談につきましては随時来ておりますので、今後は申請がふえていくものというふうに考えております。
◆村松叶啓 委員 制度の概要についてご説明いただきました。
また、ただいまの答弁では、全壊の認定を受けた件数は89件ということでしたが、罹災証明の申請は4,000件以上であると聞いております。つまりは、全壊の建物は申請件数の約2%であり、対象が極めて限定的と感じます。
そこで、質問ですが、今回、公費撤去の対象を全壊のみとしている理由はどういったことなのか、お伺いいたします。
◎大島 建築部長 この制度につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいて設けられている環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金を活用いたしまして、被災家屋等を札幌市が公費により撤去を行うものでございます。対象を全壊のみとしておりますのは、この国庫補助の対象が全壊のみとされているために、これに従っているものでございます。
◆村松叶啓 委員 国の補助要件の関係から全壊のみを対象とするというご説明でありました。
しかし、一言で半壊と言っても、その状況はさまざまであり、例えば、建物が傾いており、不安でこれ以上住みたくないといった声も聞こえてきております。また、道内の他市町村に目を向けますと、むかわ町や厚真町では、半壊の家屋等に対しても町が独自に負担することで公費撤去の対象としているところであります。私も、札幌市においても半壊の家屋などを公費撤去の対象にすべきと考えておりましたが、先日の里塚地区における住民説明会の場で、市長は、住宅の撤去について範囲を拡大する方向で検討を進めていると説明したところであります。
そこで、質問ですが、札幌市において半壊の家屋等を公費撤去の対象とするのか、伺います。また、半壊を対象とする場合、現時点ではその費用は国からの支援が受けられないこととなります。しかし、費用の2分の1の補助などではなく、全額を公費負担にすべきと考えますが、これに対する市の見解について、あわせてお伺いいたします。
◎大島 建築部長 委員からのご指摘のとおり、半壊の家屋等の所有者からも公費撤去の対象にならないかといったお問い合わせを受けておりまして、半壊の認定でも撤去を望んでいる方がいる状況でございます。
そこで、このたび、公費撤去の対象を罹災証明で大規模半壊と半壊の認定を受けたものまで拡大することとしたところでございまして、大規模半壊と半壊の撤去の受付につきましては、来週10月29日の月曜日から開始したいと考えており、今、準備しているところでございます。
また、2点目の質問にございました費用負担についてでございますが、大規模半壊と半壊につきましても、その撤去費用は全壊と同様に全額公費にて負担するように考えております。
◆村松叶啓 委員 これから冬に向かって、被災家屋等の所有者の不安は高まっていると思われます。このような不安を少しでも減らしていくためにも、公費撤去の対象を大規模半壊、また半壊まで拡大することは極めて有効であると考えます。迅速な被災地の復旧を進めていくためにも、被災者に寄り添いながら、きめ細やかな対応をしていただくことを求めて、質問を終わります。
◆かんの太一 委員 私からは、若い世帯を対象とした
市営住宅への入居支援についてお伺いいたします。
本年8月3日の
建設委員会で、我が会派から、
住宅マスタープランの見直しにかかわる項目のうち、子育て世帯に配慮した居住支援の推進に関連して、若い世帯のみを対象とした
市営住宅募集について質問しました。若い世帯向けの専用申し込み枠の現状としては、年3回の定期募集において、1回の募集につき平均して7戸程度を募集しているとのことでした。そこで、子育て世帯への居住支援として、また、入居者の高齢化が進む
市営住宅の世代間
バランスのとれた入居促進の観点からも、募集戸数の増加の検討を要望いたしました。私といたしましても、若い世帯や子育て世帯が安心して結婚や子育てができるよう、住宅の面からもサポートすることは必要であり、
市営住宅においても、若い世帯や子育て世帯への居住支援の充実を進めるべきだと考えております。
そこで、質問ですが、若者世帯の専用申し込み枠の募集戸数の拡大に向けたその後の見直し状況について伺います。
◎佐藤
住宅担当部長 若い世帯向けの専用申し込み枠の拡大に向けた見直し状況についてお答えいたします。
若年層世帯向け専用申し込み枠については、
市営住宅入居者の高齢化対策の一環として行っていることから、特に高齢化率の高い13団地の
空き住戸の中から募集住戸を選定しております。
市営住宅に入居をご希望の方には、若い世帯以外にも高齢の方や障がいをお持ちの方など、住宅にお困りの事情がある方がいらっしゃいますので、
入居募集全体の
バランスを見ながら、若い世帯向けの専用申し込み枠の募集戸数は1回の定期募集につき10戸程度を目安としてきたところでございます。
しかしながら、募集対象団地において募集できる
空き住戸がない、もしくは、募集できる住戸が1戸しかないような場合には、若い世帯のみの特定申し込み枠とすることが難しく、結果として10戸を確保できない状況が続いてきております。そのため、8月3日の
建設委員会でのご要望も受けまして、募集戸数の確保に向けて、若年層世帯向けの特定申し込み枠の対象団地を拡大することを検討しているところでございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁にありました、対象団地の拡大も必要であり、検討しているということは評価いたします。しかし、札幌市の定期募集では、1回の定期募集で少ないときでも約160戸、そして、多いときには約280戸を募集していることを考えますと、募集が10戸程度というのはやはり少し少ないのではないかというふうに思います。
そこで、質問ですけれども、若い世帯向けの専用申し込み枠の募集戸数をふやすことについて、改めて見解をお聞かせください。
◎佐藤
住宅担当部長 若い世帯向けの専用申し込み枠の募集戸数をふやすことについてお答えいたします。
市営住宅定期募集では、若い世帯向けのほか、車椅子住宅、子育て支援住宅、長期連続応募者用住宅、東日本大震災被災者用住宅を専用申し込み枠として募集しております。また、9月6日の北海道胆振東部地震を受けて、
市営住宅の一時提供や応急仮設住宅の提供など、被災者への
住宅確保の支援を行っておりますが、今後も継続した支援が必要であると考えられますので、
市営住宅の定期募集において被災者の専用申し込み枠の創設を検討しており、今後、その対象住戸の確保も必要なところでございます。
そのため、入居者募集全体の
バランスと、東雁来団地を子育て世帯のみが申し込みできる子育て支援住宅としていることをあわせて考え、若い世帯向けの専用申し込み枠については、募集する
空き住戸数を見ながら検討していきたいと考えております。
◆かんの太一 委員 先ほどほかの委員への答弁でもありましたように、地震の被災者への対応も必要であるということでした。また、
市営住宅入居における優遇措置として、例えば、低所得者世帯、心身に障がいのある方、多子世帯、母子・父子世帯などさまざまな要件があります。そのような状況の中で、今、若者世帯向けの専用の申し込み枠を大幅に拡大する難しさはあると思いますけれども、若い世帯にとっては家賃を初めとする固定費の負担感は非常に高いものがあり、子育てしやすいまち札幌を若い世帯に実感していただくためにも市の住宅政策は重要であると考えます。また、子育て世帯の定住などを目的として積極的に優遇措置のメニューを用意している自治体もあり、どのような支援ができるのか、本市もまだまだ研究の余地があると感じております。
若い世帯向けの専用申し込み枠について、対象団地の拡大並びに募集戸数の増加を引き続き検討し、子育て支援策の一環として取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終了いたします。
◆伊藤理智子 委員 私からは、北海道胆振東部地震で被害を受けた清田通の崖地対策について伺います。
今回の地震によって、崖地から水が噴き出し、大量の土砂が流出したことから、その影響で清田通の歩道が陥没し、道路の中央のつなぎ目の亀裂が日に日に広がっているため、早急に対策が必要だとの相談が我が党に寄せられました。この問題については、10月10日の建設局の審査で、道路の対策が必要だという観点から取り上げました。それに対し、建設局は、民地における崖地対策について、どういう対策が可能か、所管している都市局と協議していきたいと答弁しました。
まず、都市局として、この土砂が噴き出した現場に行ってみたのか、現場を見に行った時点で対策の必要性についてどのように判断されたのか、伺います。
また、この崖地の対策について、建設局とどのように協議されたのか、伺います。
◎岡部 市街地整備部長 清田通での対策に関して、都市局として現地を確認したのか、その対策の必要性、建設局との協議ということでございます。
この状況につきましては、都市局を初め、関係部局が現地を確認したところでございます。それを踏まえ、この宅地の所有者に対しまして、応急処置や、擁壁もありますが、この下側の住民への説明等、必要な措置を講ずるよう指導して、現状ではのり面や擁壁などは比較的安定した状況にあるというふうに考えております。
なお、現地確認以降、定期的にパトロールも行っておりまして、本日の状況も確認しましたけれども、ブルーシートで覆われ、対策もとられているところであります。
また、建設局との協議でございますが、建設局が行った道路調査の結果分析の後に、さらなる調査であるとか、今後どのような対策をしていくかなどについて協議を行っているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 清田通に面した宅地のすぐそばが崖地であり、大量の土砂が流出したことから、日々地盤が沈下してきているのに、道路への対策だけでは、地震や豪雨が発生したときにさらに地盤の緩みを加速させることになりかねません。この崖地を所有して被害に遭われた方は、建設関係の仕事をされていますが、80立米もの土砂が流出した土の中が空洞化しているのではないかと懸念されて、独自に地質調査を行ったということです。
住宅の地盤調査で最もよく使われるのがスウェーデン式サウンディング調査という方法で、これは、100キログラムのおもりを回転させながら、掘り進むのにどれだけの回転数が必要なのかをはかりますが、半回転数がゼロを示すと、より地盤が軟弱で、地盤改良やくい工事等の補強対策が必要であることがわかってくるという調査です。この試験は、清田通の歩道と敷地の5カ所で実施し、4カ所で半回転数ゼロ、いわゆる軟弱地盤と言われるところが、地上から4〜5メートルと6〜7メートルのところに、2メートルくらいの高さで存在することが確認できたということです。
被害の遭ったお宅から清田通を挟んだ斜め右側の方向に渡って旧沢筋があった場所で、今回の地震によって、この方の斜め向かいのお宅の地盤も沈下していました。半回転数ゼロの場所も旧沢筋に沿った地点でした。調査を行った専門業者は、地下に空洞に近い状態になった部分が存在する可能性があり、その状態によっては、清田通が陥没する可能性も否定できないのではないか、大雨や地震などがあればその可能性はさらに高まるのではないかと言っています。また、のり面の崩壊防止として、十分な安定性を有したL型擁壁を設置するのが最良だとの判定内容を伝えております。
清田通は、交通量が多い幹線道路であり、土砂の流出によって道路が陥没することがあれば大惨事になり、人命を奪いかねない事故が発生する危険があることから、建設局に対する質疑で、私は土砂の流出による影響を調査し、対策を講じるべきと求めました。建設局は、路面を監視しながら、必要に応じて追加調査を検討したいと答弁しました。しかし、道路のすぐそばに崖地があるのですから、路面の調査だけではなく抜本的な対策を講じなければ問題の解決にはならないと考えます。
崖地の対策に早急に取り組むべきだと考えますが、都市局としてどのように受けとめているのか、伺います。
◎岡部 市街地整備部長 崖地への札幌市としての対策ということでございます。
崖地対策ということでございますが、北海道で指定した崖地に対して一定の基準を満たす場合に北海道が行うものでございまして、ご指摘のあった清田2条2丁目につきましては崖地に指定する予定はないというふうに聞いているところでございます。
私どもとしましては、個人の宅地につきましては個人財産の管理、保全になることから、原則として所有者ご自身で対策を行っていただきたいというふうに考えているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 個人の財産なので原則として個人でと言いますけれども、今、私がるる説明したように、個人の敷地内で起こった問題ではありますが、そのお宅のすぐ前が清田通ですから、もし清田通に影響を与えたら大変な事態になるので、だから対策をとるようにと求めているのです。
私が調べたところ、この崖地で活用できそうな国の補助事業として、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業がありました。これは、道ではなくて、市町村に対応できるというものです。この事業の目的には、崖崩れは直接人家等に被害を及ぼすおそれがあるため、小規模であっても、地域防災上、重要な箇所の復旧整備を重点的に推進する必要があるとしております。熊本地震のときなどには、特例措置として人工斜面、宅地擁壁等も対象にしておりました。
清田通に面した崖地がもし崩れれば、広範囲に被害が広がる危険があるため、札幌市として、国に対してこの補助事業の対象にするよう強く求めるべきと考えますがいかがか、また、国の事業が対象にならないとしても、本市独自で対策を講じるべきと考えますがいかがか、伺います。
◎岡部 市街地整備部長 崖地への対策についての国の補助事業でございますが、私どもも国に対して確認しておりまして、国のほうでは、熊本地震のようにかなり大規模、広範囲というような場合には該当するということでございまして、今回、この宅地に関しては該当しないとお聞きしております。
私どもとして、今回の地震によって擁壁の倒壊等の被害を受けた宅地につきましては、市独自の事業として、本日、札幌市の宅地復旧支援事業の議決をいただいたところでありまして、この事業の活用により支援してまいりたいと考えているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 今後、地震や豪雨などの災害が発生した場合に、この清田通に面した崖地がさらに崩れて道路陥没で大事故とならないように、一日も早く札幌市として対応に当たっていただくことを強く求めて、質問を終わります。
○よ
こやま峰子 委員長 以上で、第5項
都市開発費のうち関係分等の質疑を終了いたします。
次に、第7款 土木費 第5項
都市開発費のうち関係分、土地区画整理会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、明日、10月25日木曜日午後1時から、下水道河川局及び水道局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後7時...